スイスのベルンにある、パウル・クレー・センターで見た
それ以来、天使という在り方が頭から離れない。
それはなにも羽があってにこにこ笑っていて、というよう
宮下誠という学者が書いているように、天使とは彼岸と此
来る者であり、去る者であり、表象不可能の表象であり、
超越的特徴を持つにも関わらず、表象可能なのだ。
厳密な神学における天使の定義についてはよく知らないが
両義的な様態。
こんな詩があった。
「私は天使が戸を叩く音を聴いた。
門を開けても、そこには誰もいなかった。
あれは紛れもなく天使だったのだ」
彼は天使の姿を直に見ていないにも関わらず天使の存在の
門戸を叩く音=来る者、不在=去る者。
ふと思い出すのは、如来を意味するタターガタというサン
サンスクリットは母音が連続するとその母音が結合するた
つまり仏と天使は両者とも来る者であり去る者、しかもそ
絵画、つまりイメージも同じではないだろうか。
イメージは絵具という物質から来る、同時にそれはやはり
これが直線的な時間感覚ではなく、同時に、しかも永久に
絵画は物質であることをやめることはできず、イメージで
絵画で天使であるとすれば、絵画は我々をどの存在の地平
そこにどんな意味がある?